2017年12月7日木曜日

海底ケーブルの話 3

今回も思いつくままで、幾つか書いてみます。



海底ケーブルの太さ


ケーブルの太さは何種類かありました。
基本になるサイズが存在し、その上に追加構造を施すという仕掛けです。

基本のケーブルは直径が1インチ。25.4mm 程です。案外細い感じでしょうか。
その中には、光ファイバーなどが入り、更に電気を通すための導体や、引っ張り強度等を受け持つ構造もあります。
また、外側は樹脂製で絶縁と防水も担っています。

1インチのケーブルは海底の深い場所に使われます。そして、浅い場所には補強が施された強力なタイプが使われています。
分かりやすく言えば、ケーブルの外側に金属のカバーを掛けたようなものです。

普通に考えると浅い海の方は、細いケーブルで良いような気もしますね。
でも、実態は逆になっています。なぜかと言えば、浅い海だと船が行き来して碇を下ろすから。万が一アンカーを引っ掛けられたら、ケーブルは切断されてしまします。それを回避するために、どうしても補強は必要なのです。





重さ


重量的なものは、上に書いた太さと連動します。太い方が重い。
特に、外側に金属のカバーを付けたタイプは、相当な重さがあります。





シャークバイト(鮫噛み)


鮫が噛み付いても切れません。そんな意味合いの補強構造です。
実際にどの程度有効なのかは分かりませんが、何も無いよりは良いですね。

ケーブルに流れている電流から、電磁波や磁力が発生し、それが鮫を引きつけるという話を聞いたことがあります。これも、本当かどうかは分かりません。
事実関係を究明した研究とかあるのかな。



リピーター


ケーブル内部に納めた光ファイバーや同軸線は、信号の伝達を行います。
しかし、信号というのは距離が長いと減衰したり、ノイズが増えるものです。海底ケーブルの場合は、酷く長い距離を走りますから問題は多い。

そこで、途中にリピーターを入れて信号を増幅します。
アンプという方が分かりやすいかも知れません。

光ファイバーの場合は光をそのまま増幅するものと、光を電気信号に変えてから増幅するタイプがあります。今は前者だけかもしれません。

いずれの方式でも、アンプには電力が必要です。そうでなければ、増幅させるエネルギーが無いですから。
電気はどこからかと言えば、陸上からケーブル自体を使って送っています。
この電力も、距離が長いと減衰してパワーが減ります。色々と面倒な長距離伝送なのです。



回線容量


光ケーブルの場合も、昔と今では容量の差異が大きいです。
昔はMだったのに、直ぐにGになっていましたし、今はTですね。
それぞれ、メガ、ギガ、テラです。伝送容量が1000倍単位でアップするのだから、目を見張るものがあります。

それを支えるのは、主に波長多重(WDM)という技術です。一本の光ファイバーに複数の波長が異なる光を通して、一本の線で複数の信号を送る仕掛け。
さらに、マルチコアとか、ドンドンと技術が深まるようです。

波長多重の場合、最初に敷設したケーブルをそのまま使って容量アップというのもザラにあります。当初1Gだったシステムに、デバイス変更で波長多重を入れて、数倍の伝送容量にしてしまったり。

こんな風に安上がりにシステムアップされますと、新しいケーブルのニーズが落ちます。そして、ケーブルメーカーには冬の時代が来るのです。







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